ポルシェ928を全塗装 - 前田自動車.jp

以前修理した928の記事を見てご入庫していただいた次第です。前回の928と違うのはオーバーフェンダーやスポイラー類が装着されている所でしょうか。

928S4をGTS仕様に変えてあるとオーナー様がおっしゃっていたような・・・気がしました。なんせ入庫していただいたのがお盆休みの前の日だったもんで少々記憶が曖昧な部分もあります。

今回は外側のみを出来るだけリーズナブルに同色全塗装したいというご希望でしたので、ガラス類と脱着にリスクのある箇所はマスキングで対応させていただきました。

一見そんなに劣化していないように見えますが、部品類を外していくに連れて雲行きが怪しくなっていきます。当然の如く補修歴は多数見受けられパテの割れや錆がドンドン出てきました。

右リヤのオーバーフェンダー付近の写真を見ていただけると解ると思いますが、パテ割れを掘り進んでいくとこんな感じに分厚くパテが盛られていました（笑）。

とにかく全体の膿を出していく感じで地道に作業していきます。

そういえばウチに新しい戦力が加わりました。念願のリフトです。

その名もビシャモン。

すごい名前ですが、車の下回りの修理や錆の処理、特に車高の低い車のバンパー脱着など、今まで無理な体勢で作業していたのがコレで一気に楽になります。

作業のクォリティーも上がるのでこの設備投資は大正解ですね。

バンパーなどの小部品達もいい感じにヤラレていまして、フロントパンパースポイラーなんかは裏側がぼろ雑巾のようにボロボロで大穴が空いていました。ウチの工場に出入りするだけで擦ってしまうくらいですから当然ですね。

ボディーにサフェーサーを入れてから、先に小物から塗装します。バンパーはウレタン製なので重くてブヨブヨ。塗装のセッティング方法を間違うと、強制乾燥したときに変形してしまいます。

ボディーは最初にルーフ、ボンネット、バックドアの３枚を塗っておきました。全てのパネルを一気に塗るのはかなりのスピードと技術と集中力が必要だと思うので安全策を取りました。

白はクリヤーを塗る際、光が反射して肌が見えづらいので下から覗き込むような体制で塗ります。つらい体制ですが、クリヤーを多く塗ってしまい垂れてしまう傾向が強いので注意が必要です。

無事塗装が仕上がり乾燥。組み付けもリフトがあると楽です。もともとオーバーフェンダーはシーラーのような物で付けられていましたが、キチッとビスで固定して、更にシーリングラバーも付けておきました。

サイドステップにもシーリングラバーを付け、全体的に統一感を出します。 いかがでしょうか？新たなグランプリホワイトに塗られた928。バンパーのギャップなども調整し直したのでいい感じに収まっております。リフレッシュと言う言葉が似合う１台でした。

T様、この度は長い間お待ちいただきありがとうございました（笑）。実質４０日ほどお預かりしてしまいましたが、あっという間でした。

ポルシェを全塗装する日が来るとは思ってもいませんでしたが、何事も経験ですね。言い方が悪いかもしれませんが、成功も失敗もお客様のお車で勉強しながらスキルアップに繋げていくしかないんです。まだまだ発展途上の前田自動車を宜しくお願いします！！

今回の費用・・・約￥280,000でした。ありがとうございました～。